「遊びこむ」って何?生きる力を育む遊び

大きな木保育園で、園長の藤井がよく使っている言葉に

遊びこむ』というものがあります。

遊びこむってなあに?ただの遊びと何が違うの?と質問をぶつけてみたところ、

「保育士のAに聞いてみたら?遊ぶの上手いよ」と推薦が。

そういえば、卒園生からも「Aのおかげで遊びの幅が広がった」と聞いたことがあります。

とういうことで、大きな木の保育士Aさんに「遊び込む」とは何か、インタビューしてきました!

 

 

 

“自分が楽しいって思うことは全部遊び“

 

 ーそもそも、遊びってなんなのでしょう?

Aさん自分が楽しいって思うことは全部遊びなんですよ!

例えば、段差を歩くだけだって子どもにとっては遊び。斜面を駆け下りるのだって遊び。」

 

 ー確かに、今思うと、入園前はおもちゃや遊具を使って遊ぶことが「遊び」だと思っていたけれど、入園後は何もないと思っていた場所も遊びの宝庫なのだと気付かされました。

Aさん「保育中は、あんまり遊具には行かないように気をつけていますね。」

 

 

 ーそれはどうして?

Aさん「理由は二つです。

一つは、自分で遊びを見つけることが大切だから。

遊具があると、何も考えずに遊びになっちゃう。でも、何もない所に行けば、落ちている棒、土、木の実・・・自分で何を使って遊ぼうか考える。

二つ目は、仲間と遊びを通して育ち合ってほしいから。

おもちゃって面倒見が良いから、友達がいなくても1人で完結しちゃうんです。

でも、何もないところでなら、お相撲しようかとか、ドロケイしようか?とか…子ども同士で遊びが生まれますよね。」

 

 

 ー遊具やアクティビティがないからこそ考えたり動いたり協力したり・・・と工夫するんですね。

Aさん「そうそう。子どもだって本当は、自分で遊びを見つけたほうが嬉しいんですよね!それが自分で生きてるってこと。」

 

 

“子どもは子どもから学んで育ち合う”

 

  ー「遊び込む」と「遊び」の違いはそこにもあるのかな?

Aさん「そうですね。大人に言われたり、遊具を使ってる時は、なんとなく惰性でダラ〜っと遊んじゃうことが多い。

自分が見つけたこと、やりたいと思ったことをするのが大事だなと。」

 

 ーそれって放っておいたらできるものですか?

Aさん「大人が必要な段階もあります。

0〜1歳は座り込んでるところにどんぐりを入れてあげるだけでも遊びのきっかけになったりする。

2〜3歳頃までは、なんかダラっとしてるな、遊びを探してるのかな?って時は大人が声掛けしたり一緒に遊んだり、まだ働きかけが必要な段階。

でも、5〜6歳になると自立していくから、もう自分で遊びを見つけられるし、特に年長は大人は必要ないです。

公園で気にかけることはほぼないかな。なるべく子ども同士でやり取りしてもらいたいです。」

 

 ー子ども同士で遊んでほしいってさっきも言ってましたね。

Aさん「そうそう。大人の目線を意識して欲しくないから、気になっちゃう時は敢えて少し離れたりしてます。

子どもは子どもから学んで行くから、真似から始まって、友達に刺激を受けて遊びが広がっていくと思う。」

 

 ー喧嘩やぶつかり合いも起きたりすると思うけど?

Aさんこうじゃなきゃいけない」があるのは大人だけで、子どもの世界にはないんですよね。

子ども社会の中での立場が自然にできていく。どっちが悪いもない。子どもらしい自由な発想を大切にしたいから、こうしろああしろはできるだけ言わないように気をつけています。」

 

 

 

 

“やりきった!が自信になり、意欲になり、乗り越える力になる“

 

 ー改めて、『遊びこむ』ってなんなんでしょう?

Aさん集中する、夢中になる、ゾーンに入っているような状態。

 

 ーそのために意識してることは?

Aさん「一番は、帰るまでにどう達成感を得られるか?を意識していますね。

集中してやりきった!つくり切った!と思えるかどうか。

大きな木は園庭で遊ぶわけではないので、どうしても帰る時間までという制限があります。

その中で、どこを完成とするか、どこまでやるか、は子どもにも考えながらやってもらおうと思っています。

ああ、今日も遊んだな〜面白かったな〜って帰りたい。」

 

 ーなぜ達成感が大事?

Aさん「達成感を得た経験を積み重ねることで、自信がつくし、前にもできたからまたできる!と乗り越える力になる。

そしてまた次の挑戦をする意欲に繋がっていく!」

 

 ー遊びこんだ経験が今後の生きる力になるんですね。

Aさん遊びこむことは生活にも繋がってます

入園した頃は泥んこになることに抵抗がある子も多いんだけど、泥んこになるって、手からの刺激が良いんですよね。

年長になると針仕事もするんだけど、どれだけ遊んできたかが、手の器用さや集中力に繋がってるなと思います。」

 

Aさん「斜面を駆け下りるでも、木のぼりでも、体を使って遊ぶことで自分の力を試せます。そこから危ないことへの察知能力もつく。

遊びを通して、自分の体の可能性を探っているんです。」

 

 

 

 

 

“自由に遊べる環境、余裕がある環境を用意するのが大人の役割“

 

 ー東京にある、大きな木ならでは遊び込むための工夫は?

Aさん「大人が注意しなくても良い場所、ルールが少ない遊び場所を探すことかな。

声をかけなくても良い場所を探すのが、東京では一番難しいです!保育士も日々アンテナを張っていますし、そのために少し遠出しても電車に乗って出かけています。

やっぱり圧を感じると萎縮しちゃうし、のびのび遊べないですよね。

茨城にある姉妹園のとねっこに行くと、森の中にあるので、園舎から出たらすぐ遊び場があって。帰る時間も気にしなくて良いから、より遊びに集中できてるなっていう実感はある。とねっこで遊んだ日は子どもたちの絵も変わります!

でも、東京では移動で声かけが必要な分、遊ぶ時は自由にって気をつけていて、そのメリハリが学べるのは大きな木ならではなんじゃないかなって思ってます。」

 

 

 ー子どもが遊びこむために、親の関わり方のヒントがあれば知りたいです。

Aさん「私は同じ目線で関わっていたいから、自分もどのくらい本気で遊べるか?を意識してます。

もっとできるな〜って時は、声をかけるんじゃなくて自分が思いっきり遊んで、大人が背中を見せるのが良い刺激になると思う。」

 

 ー大人も体力つけなきゃですね!

Aさん「そこは子どもに感じさせないように手を抜いています(笑)

私が子どもの頃はキャンプによく連れて行ってもらいました。自然の中にいれば、それ自体が遊びになるから良いと思います。

もちろん遠出しなくても、プレーパークとかいつもの場所で、誰かを誘って遊びに行くのが良いんじゃないかな。」

 

 

 

今回Aさんに話を聞いて改めて、遊びの大切さを感じ、子どもを遊びこませてあげられる親になれてるかな?と自問自答しました。

我が子を振り返っても、保育園で仲間と全身を使って遊んでもらってきたことが、体にも心にも良い影響を与えてくれたなということを実感しています。

 

 

大きな木保育園では、現在、0歳児と2歳児を若干名募集しております。興味を持っていただいた方は是非一度見学にいらしてみてください。一緒に遊びましょう♪

 

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