【保護者インタビュー】親も子も育った3年間。卒園後は帰る場所に。

今年の春に大きな木保育園を卒園した A ちゃん。マイペースに見えて意志の強い 頑張り屋さんで、食べることが大好きな女の子。

そのご両親に、小学校に通い だしてから改めて振り返る保育園での 3 年間についてインタビューしました。

 共にクリエーターとして活躍されているお二人。お母さん(以下 A )は幼少期、大き な木保育園と似た環境で育ったそうで、迷いなく入園を決めたそうですが、お 父さん(以下 A )は少し心配もあったそうで・・・

▲ザリガニとAちゃん。生き物も大好き!

 

 

◼︎ 入園のきっかけ『保活地獄を味わっているときに運命的な出会いが・・・』

A 母:娘が 0 歳のときから保育園を探し出しましたが、当時は保活が厳しく、 両親共にフリーランスだった我が家は全滅でした。

そんな中でたまたま見つけ たのが認証保育所のフジキ保育室でした。(園長藤井が独立前に働いていた園。0 歳〜2 歳クラスまであり、現在も大きな木保育園と交流が深い)

 見学に行った時、「あ、なんか懐かしい・・・!」と思ったんです。わたしが通 っていた保育園に雰囲気がそっくりで。話を聞くと、園長の尊敬する保育者や 保育の流派がわたしの子どもの頃に通っていた園と同じことがわかり、「自然保 育・生きる力を育む保育」という理念も共通していたため納得しました。

自分自身も保育園時代がすごく良い思い出だということもあり、これは運命だ!と 入園を決めました。

 毎週、フジキ保育室と大きな木保育園との合同で行われている「リズム体操」で、大きな木の副園長に来年の枠に空きがあるよと誘ってもらい、3 歳児クラス(のうさぎ)から大きな木保育園に入りました。

 

 

◼︎入園してからのAちゃん 『成長することの気持ち良さを教えてもらった』

A母:入園してすぐのころは、大きな木保育園はとにかくたくさん歩くので(のうさぎクラスからは 1 2 万歩歩く日も)、娘は「なんでこんなに歩かなきゃいけな いんだ!」「歩くのやだ!」と大きな声で怒りながら歩いていたそうです。

 でも、保育士は「怒りながらも足が止まってないから大丈夫だよ」って言ってくれて。娘はうるさかっただろうけど(笑)、大人から静かにしなさいと言われることもなく、暖かく仲間として受け入れてくれていました。

そうやって素直に自己主張しても良い 環境だったのは嬉しいですね。

 その後、実際にどんどん歩けるようになり、体の使い方やバランスが良くなっ て、体が本当にしっかりしていきました。

小学校に入ってから最初の体育の授業でかけっこが一番だったらしく、本人も 「保育園のときは真ん中くらいだったのに、学校ではわたしが一番だったんだ けど・・・」とびっくりしていました。

 

 “子どもの表面的な言葉に惑わされず、成長意欲を感じ取って応援してくれている”というのはその後も感じていて。

年長の運動会前に、娘は木でできた壁に登って降りる種目が「怖くてできない」 と言っていたんですが、園長が娘の本当はできるようになりたい)という本心に気がついてくれて、声をかけ、根気強く練習してくれました。

結局、練習では 一度もできなかったけれど、本番では見事に飛びました!!

▲運動会でのAちゃん。本番で大成功!お父さんもカメラ係として大活躍。この時は本人の希望で坊主ヘアを楽しんでいたそうです。

 

 その後わたしのところに来て泣いている娘を、同じクラスのみんなが「嬉し涙 だよ」と喜んでくれて。仲間も成長を見守ってくれていたんだな、娘は幸せだ な、と感じました。

 私自身も、保育園時代に似た経験があり、「練習すればできるようになるんだ」 という成功体験が記憶に残っています。その後の人生で目標ができたときに行 動する力を後押ししてくれたように感じます。

きっと娘の中にも手応えは残っ たのではないでしょうか。

 

 

◼︎入園前と入園後のギャップ 『実は最初は不安でした。今では自分もここに通いたかった』

A 父:僕は大きな木保育園に入園が決まってから、最初はちょっと不安だったんです。

妻は、自身も自然の中で遊ぶ保育園で育った経験があるため、「絶対楽しい よ!大人も楽しいよ!」と言ってくれていたのですが、僕は全然違う環境で育 ったので、想像がつかなくて。

遠足で移動が多いし、毎日外遊びするので、事故や怪我にならないかな…と。最初は心配だからという理由でよく保育参加していました(笑)

 そこで思ったことは、保育士は遊んでいる間、本当に子どもたちの動きをよく見てくれている!ただ転んだだけのときなどは、とても冷静で、実際親が見に 行くと怪我もしていなかったり。危ない遊びかどうかは常に判断してくれているなと。そこは入ってから安心しましたね。

 そして、何より僕も楽しかった!最初に参加した、田んぼで田植えをするイベ ントでは、泥に僕がなげこまれ、子どもを泥に投げ込み、全身どろんこになっ て大笑いし、初めての体験でした。

みんなで行った富士キャンプ(父母会の行 事)も他の親たちと交流できて良かったなあ。

今では、自分もここに通えたら、自分ももっと自由になれただろうな、と娘が羨ましいくらいです。

▲毎年5月に行われるイベント。Aちゃんも初めての田植えを楽しんだ

 

A 母:帰ってきたとき、あなた、目をキラキラさせながら「君についていくと 幸せになれるね」って言ったんだよ。覚えてる?

A 父:そんなこと言ったかな・・・(照)娘が年長になるころには、僕が運動会の保護者のリレーで勝ちたくて、クラスの他の親も誘ってバトン練習したり、すっかり自分が率先して楽しむ側になっ ていました。娘が木登りしても心配しなくなったし、子どもの遊び方に寛容になったなと思います。

A 母:遠足時のお弁当も夫が毎週作ってくれてました。僕が作った料理を娘に食 べて欲しい!って意気込みで(笑)

 

 

◼︎ 家族で乗り越えた長期出張 『母の不在で娘の思いがけない成長が』

A 母:娘が年長になる年に、私が長期の出張で一ヶ月半、海外に行くことにな ったのです。大好きな仕事だけれど、娘が心配で悩み、園長兼担任でもあった 藤井に相談にいきました。

 藤井は、「大丈夫。子どもは親が思うほど弱くない。仕事するかっこいいママなんだって娘が思うように、胸を張って行ってきなさい!」と背中を押してくれ ました。

そして、娘に話すタイミングを「A に話すのは年長になった 4/1 にしよう。」とアドバイスしてくれました。年長になったし頑張るぞ!という娘の気持ちとリンクさせようという意図だったのかなと。ぴったりのタイミングだったなぁと今振り返ると思います。

 いざ年長になって本人に話したところ、娘はしばらく不安定になってしまいま した。朝、寝室にたてこもって「保育園に行きたくない」と言うこともありまし た。そんなときは藤井が娘と落ち着くまで電話で話してくれました。

 

 そして私が出張する前日のこと。二人でお風呂に入っていたら、ぽつりと 「ママ、お仕事頑張ってきてね」と言ってくれたんです。

この話を藤井に報告すると、毎日様子を観察しながらサポートしてくれていた のもあり、良かったねと涙しながら一緒に感動してくれました。本当に気にか けてくれていたんだなあと嬉しかった。

出張中も、娘が大盛りごはんを食 べている写真を送ってくれて、嬉しかったなあ。

▲実際に出張中に送られてきた、給食でAちゃんが食べた大盛りごはんの写真

 

A 父:とはいえ、出張中は朝保育園に行くときはよく泣いていたけどね。落ち ていた毛を「お母さんのだ」といって集めてたり(笑)でも、本人の中では気持ちに区切りはついていたんだと思う。

 

A 母:出張から帰ってきて驚いたことがありました。娘は言葉が遅かったのと 滑舌が悪くて、なかなか「さしすせそ」が言えなくて、出張から帰ったら、 トレーニングしてもらえる場所に通おうかという話をしていたんです。

ところが、帰ってきたら普通に話せるようになっていて、びっくり!

出張中に、泊りがけで自宅に手伝いにきてくれていた私の母が耳が悪く、娘がおばあちゃんに聞こえるようにはっきり話そうとすることで、滑舌が良くなったのかもしれない(笑)

私がいないことで成長していた娘。マイナスかと思ったらプラスになることもあるんだなあと。

家族にとっては大きな出来事でしたが、みんなのフォローのおかげで乗り越えられた一ヶ月半でした。

保育園だけでなく、同じクラスの父母にも相談していたのですが、おばあちゃんに園であったAのことを教えてくれたり、困っていることはないかと声をかけてくれたりと、助けてもらいました。

 

 

■小学校に入っても帰ってこれる場所がある

A 父:相談といえば、先日、娘が小学校に入学してから、保育園の OB(学童と して子どもは卒園後も在籍できる)が保育園で集まる会があって。 保護者が一人ずつ近況や悩みを話してみんなで共有しました。

小学生になるっ て、子どもにとっても大きなことだけど、親にとっても不安がたくさんあり。そんなときに、娘の個性をよくわかってくれている人たちが、話を聞いてくれたりアドバイスをくれたりすることの有難さを感じました。 子どもたちにとっても、辛くなったら話しにきたり、居てもいい場所が学校以外にあることって良いよね。

大きな木は保育園なだけじゃなく、コミュニティなんだよね。

※長期休みの小学生向けの学童保育や、学童の合宿などもある。

 

 

◼︎卒園式を迎えて 『やらされてない。自分が楽しいからやっている』

A 母:卒園式の日に思ったのは、「しっかり育ててくれたなあ」って。

  卒園生たちが、一人一人が歩いて卒業証書を取りにいったり、リズム(体操)をし たり、コマ回し大会をしたり、コンテンポラリーダンスを披露したりしました。みんなの前に出て堂々としている娘をみて、「やらされているんじゃなくて、楽しくて誇らしげにやっているな」と感じました。

  娘は側転が好きで、卒園式でも披露したのですが、私に「得意かどうかはわか らないけど、好きなんだ」って話してくれて、それすごく良いなぁと思って。

私も表現する仕事をしているので、日頃感じていることなのですが、何かをす るときに、人の評価を気にしていたら、褒められないと自分が保てなくなって しまう。

一番大事なのは“自分が楽しいかどうか”ですよね。そういう風に育 ててくれた保育園に感謝してます。

▲クラスのみんなと遊ぶA ちゃん

 

 

◼︎こから入園する父母へのメッセージ 『子どもと生きる道の楽しさを教えてもらった 3 年間でした』

A 父:僕は、この保育園に入らなかったら、子どもとこんなに遊ばなかったんじゃないかなと思います。とにかく楽しかったから、一緒に遊ぶ時間が増えたし、他の親からも学び、実践することが多かった。

「娘がいる父」という同じ立場の親と話すと、だいたい考えてることや悩みが同じで安心したり(笑) そのおかげで、娘がお父さんに悩みを相談できるような関係を築くことができた。大きな木保育園に入ったら、とにかく一度保育に参加してみてほしい。そ うするともっと参加したくなるよ。

 

A 母:私も、大きな木保育園に入らなかったら、もっと仕事漬けだったと思う。一生仕事しか知らなかったかもしれない。

でも、父母会活動や保育参加を通じて、子どもと生きる道の楽しさを教えてもらった。 かといって大好きな仕事も諦めず、夫婦で協力して分担しながらやりました。 忙しいときは、保育園のみんなにも話して助けてもらった。

コミュニティだから、大変なときはお互い様。得意なことや 好きなことを持ち寄るから面白い。この保育園に集まってくる時点で、自然が 好きだったり、子どもを中心に育てたいという価値観は共有できる仲間だから。 心をオープンにして、話してみてほしいなって思います。

 そして、何より、「失敗って悪くない」って思えた。子どもも大人も、失敗する権利があって、自分の中で解決することが大事だなと。怒られたって、そこが 伸びしろだと思えばいい。

娘が赤ちゃんのころは、子育ては失敗しちゃいけな いって思ってたし、間違った育児をしていないかと不安でオロオロしていたけ れど、間違えたらやり直したらいいんだって、保育園に入って学びました。 娘も、今後の人生で立ち止まったり失敗することがあっても、きっと大丈夫。この保育園で培った生きる力は娘の中に育っているから、自分の力で歩き出せるはずだと信じています。

 

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保護者インタビューいかがだったでしょうか。大きな木保育園には様々な家庭が通っていますが、一例として、園生活の様子や成長が伝われば幸いです。

 

保育士のインタビューもありますので、ぜひ読んでみてください。

「私が自分の通っていた保育園に保育士として戻ってきた理由」

 

 

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